生地の機能性を徹底解説!防水・抗菌・接触冷感…全10種類

機能インナー 下着のコラム:Column

衣類に使われている生地には、快適に使えるよう素材に特殊な加工を行い、機能性を持たせたものがあります。

用途別に求められる機能が異なり、技術の発展により高機能な商品へ日々進化しているため、快適性に優れ機能も多様化しています。また大手アパレル会社が機能性インナーを販売し、認知度が上がったこともあり、年々需要も高まってきています。

そこで今回は、最近よく目にする主な10種の機能性について、仕組み・効果とおすすめの機能性インナーをご紹介いたします。

【主な機能性10種】
1. 防水(透湿防水)
2. 保湿性
3. 保温性
4. 撥水(はっ水)
5. 抗菌防臭(消臭・制菌)
6. 吸水速乾(吸汗速乾)
7. 吸湿発熱
8. 接触冷感
9. UVカット(UVケア)
10. 帯電防止

1. 防水(透湿防水)

防水とは生地面に被膜を作り、水が生地の裏側へ浸み出すことを防ぐ機能のことです。

防水素材は水を通さないと同時に空気も通さないため、衣服内に湿気がこもり蒸れにつながる場合があります。そこで、蒸れも解消する機能が「透湿防水」機能です。

防水(透湿防水)機能

ボディヒンツのサニタリーショーツ・失禁サポートショーツの防水布には「透湿防水」機能の素材を使用しています。

雨や水滴よりも小さく、水蒸気の分子よりは大きな孔(あな)が開いた特殊な被膜・フィルムを用いて、水を通さないことに特化した防水加工に対して、水が通ることを防ぎつつ、気体になった湿気だけは通すという非常に高度な機能です。

衣服内の水蒸気や湿気を外に逃がし蒸れを防ぐため、生理中でも蒸れを気にせず快適に過ごすことができます。

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防水(透湿防水)機能

2. 保湿性

保湿機能

着用する肌面が保湿されている機能のことです。

ボディヒンツでは、繊維の水分率が高く保湿機能をもともと持っているシルクインナーを販売していますが、【米ぬか繊維SK】という加工を行い保湿機能を持つ商品も取り扱っています。

【米ぬか繊維SK】はレーヨンと綿の混紡繊維です。レーヨンは、繊維自体がスポンジ状になっており、断面に小さな穴がたくさんあります。その中に、日本古来から伝わる米ぬかオイルの保湿力をそのまま繊維に練り込んでいるため、肌に潤いを与え洗濯しても効果が持続します。

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保湿機能

3. 保温性

暖かい空気を衣服外に逃さず、暖かさを持続させる機能のことです。

空気は熱伝導率が低いため、糸の内部を空洞にして、繊維の空洞部分に空気をため込み衣服内により多くの暖かい空気層を作るようにすれば、その分だけ保温力を上げることができます。また内部が空洞になっている分だけ軽くなるため、暖かさ・軽さの二つの快適性を兼ね備えることが可能です。

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保温機能

またボディヒンツでは、保温性効果がある袋編み組織の綿ガーゼ生地の商品があります。

肌にやさしいコットン生地であることに加え、袋編みになっている2層の間に空気をため込み、冬は上着を着ることにより温まった空気を逃がさず、湿気は外に逃がすため肌が冷えることなく暖かい、ロングセラーの素材です。

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保温機能

4. 撥水(はっ水)

撥水機能

撥水(はっすい)とは、生地に付着した水を球状にしてはじく機能のことです。

一般的には生地にフッ素系加工剤を塗布します。耐洗濯性が弱く、使用回数が増えると性能が低下することがあります。以前は地球環境や人体に悪影響を与える加工剤が使用されていました。しかし、2015年以降はC0撥水剤、あるいはフッ素フリーに変更されて安心できようになったものの、機能は以前より落ちる場合があるようです。

5. 抗菌防臭(消臭・制菌)

抗菌防臭(消臭・制菌)機能

抗菌防臭とは、不快なニオイのもとになる成分や微生物の繁殖を抑える加工です。

また消臭は、汗や雑菌から発生した不快なニオイを軽減する効果のある加工となり、2つの加工は似ていますが、ニオイを元から抑えるのか、発生したニオイを軽減するのかの違いがあります。

そして制菌とは、臭いの元となる黄色ブドウ球菌に加えて、肺炎かん菌、緑膿菌、大腸菌、モラクセラ菌などの増殖を抑える加工があり、対応している菌種は、抗菌防臭加工よりも制菌加工の方が多くなります。

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抗菌防臭(消臭・制菌)機能

6. 吸水速乾(吸汗速乾)

吸水速乾(吸汗速乾)機能

素早く水分(汗)を吸収し、素早く乾く機能です。

主にポリエステル糸を使用し、吸水(吸汗)性能は毛細管現象を応用して水(汗)を吸上げ、一方向に移動させます。またハニカム構造という蜂の巣状の編み目が特徴の生地により、通気性に優れ、汗をかいてもベタつかない心地よさを保ちます。

7. 吸湿発熱

吸湿発熱機能

衣服内の湿気を吸って暖かくなる機能で、衣服内は暖かく冬に人気の機能です。

吸湿発熱素材は、蒸気が繊維に吸着される際に発生する「吸着熱」という現象を利用したもので、私たちの汗の水蒸気や皮膚からでる水分を吸って発熱します。レーヨン・アクリルが多いものなど様々ですが、一般的な化学繊維より細い繊維にして、製法を工夫することで全体の表面積を増やし、より湿気を取りやすく、熱を放出しやすくすることができます。

8. 接触冷感

接触冷感機能

触っただけで冷たく感じる機能です。一般的にはレーヨンやキュプラが接触冷感に優れた性質を持っているといわれています。

熱は高温から低温へと移動するという性質を活かし、生地に触れると肌から生地に瞬間的に熱が移動し、触れた部分がひんやりと冷たく感じる効果があります。

夏の寝具に人気の素材ですが、同じ部分が触れ続けていると冷感効果が発揮されにくく、素材によっては蒸れることがあるため注意が必要です。

9. UVカット(UVケア)

UVカット(UVケア)機能

UVカットとは、主に酸化チタンや特殊セラミックを練り込んだ糸や編目を細かくして隙間を無くし、紫外線を遮断する機能のことです。

また繊維や生地に紫外線カットの薬剤をつける方法もあります。シルクやウールには、もともと紫外線をカットする効果がありますが、素材によっては紫外線に弱く透過しやすいものもあるため、しっかりとUVカット加工をする必要があります。

10. 帯電防止

帯電防止機能

静電気を抑える機能のことです。

繊維の表面に吸湿性の良い物質を付着させ、電気を通しやすくして静電気防止する加工と合成繊維の中に電気を通す素材を練り込んだ糸を入れる加工があります。糸に練り込む方が、洗濯しても落ちることがなく半永久的に効果が続きます。

ボディヒンツの機能性試験

ボディヒンツでは、お客様に安心してご利用いただけるよう機能を加工した生地は、効果・安全性・耐久性の試験をしっかり行い、試験に合格した生地を使用し商品化しています。

各機能の試験方法を下図にまとめています。気になる方は、ぜひご覧ください。

機能 試験方法
防水(透湿防水) 耐水圧試験、透湿性試験
保湿性 皮膚水分率測定
保温性 保温性試験
撥水(はっ水) はっ水性試験
抗菌防臭(消臭・制菌) 抗菌、消臭、制菌試験
吸水速乾(吸汗速乾) 吸水性:滴下法、速乾性:拡散性残留水分率試験
吸湿発熱 吸湿発熱性試験20℃×40%→20℃×90%へ変化させて温度変化を測定する
接触冷感 接触冷感試験
UVカット(UVケア) 紫外線遮蔽性試験
帯電防止 摩擦耐電圧半減期試験

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